2005年1月21日に開かれたプロ野球の暴力団等排除対策協議会小委員会において「球場に暴力団関係者や悪質な応援団の入場を認めない「試合観戦約款」を作成し、入場券の購入時に周知徹底させることを決めた。近く各球団や球場関係者の意見を集約し詳細を決める。また、太鼓など鳴り物入りの応援の禁止についても改めて議論する。」との決定がなされたとの報道がされました。

 球場に暴力団関係者や悪質な応援団の入場を認めないことはわが国の代表的なスポーツ文化であるプロ野球の健全な発展の為に当然必要であると考えます。また、試合観戦に係る一定のルールの作成は、より良好なファンのプロ野球観戦環境の維持とその地域住民との共生にとって必要不可欠なものであります。

 しかし、行き過ぎた球団等による応援規制とその応援スタイル強制は、その主催者並びに施設管理者の意向に反するファンを一方的に排除することに繋がる危険性をはらんでいます。今後「試合観戦約款」等の形でそれに行き過ぎた規制が一方的に行われることも懸念されます。近年、球場での応援行為に対する規制は拡大の方向にあり、一部では集団応援の禁止を打ち出した球団もあります。また、昨年の球界再編問題にからみ、球場内でファンが掲げた「合併反対」等のメッセージが書かれた応援ボードなどが、その球場での掲示規則等に沿ったものであるにも関わらず強制的に排除される事態が各球場にて度々発生しました。

 スポーツの応援は本来ファンの自発的な行為に委ねられるべきものであり、そこから生まれてくるスポーツ文化の一つであると考えます。行き過ぎた球団等による応援規制とその応援スタイル強制は、その自発的な応援文化の発展を阻害するものであり、その施行に関しては充分なファンの意見の集約とファンとの話し合いの場を設けた上で慎重に行われるよう求めます。

<私どもが考える3つの懸念>

→「暴力団等排除対策協議会小委員会」にて「太鼓など鳴り物入りの応援の禁止」について何故議論されるのか?「暴力団等排除」と「太鼓など鳴り物入りの応援」は本来別問題であり、それぞれ個別に論議されるべきである。「暴力団等排除」という大義名分のもと作成される「試合観戦約款」などにおいてファンの観戦スタイルへの規制を強化しようとしているのではないかと推察されることに対する懸念。

→近年、球場における観戦スタイルや応援に対する球団や施設管理者からの規制が強化される傾向。昨年の球界再編問題に絡み、主催者の意向により「1リーグ反対」や「合併反対」のメッセージボードがその球場での掲示規則等に沿ったものであるにも関わらず警備員により強制的に排除された前例があり、今後球場において球団や施設管理者の意向に沿わないファンが一方的に排除される懸念。

→プロ野球70年の歴史の中で、ファンによって育まれてきた各地域や各チームに根ざしたそれぞれの応援文化が、球団等による一方的な応援規制や応援スタイルの強制により画一化され、その文化が損なわれたり失われてしまう懸念。

(参考)暴力団排除に統一ルール 4月中にも作成 (共同通信)
(参考)「応援方式決定、鳴り物やめる」楽天が宣言!
(スポーツ報知)
(参考)熊崎・コミッショナー顧問・楽天の鳴り物禁止に言及(毎日新聞)

*註:上記3ページはいずれもリンク切れ

*註:このページは、イーグルスが立ち上がった直後に産まれた(2005.1月頃)E-SUPPOTER'S UNITEDという、作者不明のサイトに書かれていた記事です。
 県営宮城球場の鳴り物規制等に対するスタンスは基本的に、当時と現在とで変わっていませんので、同サイトが(プロバイダ都合により)2010年11月に閉鎖されるのを機に、当方で保存しておきます。