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福島FC、解散!

 JFLジャパン・フットボール・クラブ所属の福島FCが、解散することが決定した。

 経営危機に陥った福島フットボールクラブ(FC)=本社郡山市、斉藤哲代表=の存続策を協議していた福島県サッカー協会(平沢四郎会長)は9日夜、再建を断念、ジャパン・フットボールリーグ(JFL)に10日報告した。プロサッカーの定着という夢の実現を目指したが、雪だるま式に増えた負債。日本代表が初のワールドカップ出場を決め、サッカー熱が再燃する中、厳しい現実が地方都市のクラブチームをわずか3年で解散に追い込んだ。

 12月9日夜、郡山市の福島県サッカー協会事務所で開かれた臨時理事会。2時間半の激論の末の結論は福島FCの「存続断念」だった。新会社へのチーム移管という経営計画は自治体、経済界の支持を得られなかった。

 解散への道筋を付けたのは、結果的にJFLだった。福島FCは、斉藤代表個人の借入金で運営を続けてきたJFLでも異端のチーム。年々増える負債は代表がかぶってきた。JFLはこの異常な経営を危ぐして11月上旬、斉藤代表と県協会幹部を呼び、「現在の経営を協会、自治体などが中心の経営に変えなければ来季は加盟を認めない」と通告した。個人の傷口をこれ以上広げないための配慮だったとみられる。

 県協会はこれを受け、福島県、郡山市、郡山商工会議所などに支援要請を始めた。しかし、手を差し伸べる団体、企業は皆無だった。福島県は「砂漠に水をまくようなもの」とまで評した。どんぶり勘定ともいえる運営に原因があった。

 収入は入場料とスポンサー契約料が中心だが、ホームゲームの入場者数は平成9年度で1試合平均1532人と前年度から横ばい。スポンサー契約料などを加えても収入は5000万円に満たない。支出は人件費だけで1億3000万円に上った。8年度は同様の収入で2億円強。

 郡山商工会議所の大高善兵衛会頭は10日、記者会見し、「協会からの支援要請は検討にも値しない」と言い切った。県協会が示した経営計画はこれまでの延長でしかなく、「とても企業に説明できない」と語った。

 プロチームのはずの福島FCも、肝心の経営はアマチュア。成績が悪ければ観客が減り、収入も減る。収入に見合った予算で成績を上げ、増収につなげるのが経営者の立場だ。しかし、結果を性急に望むあまり、人件費は膨らみ、負債だけが増え続けた。

 日本協会理事でもあるJヴィレッジの高田豊治副社長は「機が熟すのを待たず、いきなり財政負担のかかる方法に出たことに無理があった」と指摘。それがJリーグの一部のチームにも共通する課題とみる。 福島FCは、7年のふくしま国体のサッカー成年1部チームとして県の強化費を受け、直前の1月、「周囲が考えもしなかった」(協会幹部)JFL昇格を果たした。当初、県協会は年間費用を約5000万円とする甘い試算で運営可能と判断、当時の代表らに「最大限の支援」を約束した。しかし、斉藤代表は「チケットも協会分は返品の山。経営の厳しさは話したが、金の話となると協会は逃げ腰だった」と言う。経営の苦しさが表面化する中、協会、チームの両者とも、県民と地域の支持をどう広げるかという肝心の努力を怠ったのではなかったか。(河北新報より)

 なお、郭慶根選手が、韓国Kリーグ・富川に移籍し、韓国代表候補に選出された。(関連記事P.20,21に

 

今年のパリーグ、全球団仙台で試合!

 12月9日、パ・リーグの1998年日程が発表されたが、なんと6球団全てが最低1回、仙台・宮城球場で試合を行うという、仙台にとってはうれしい日程となった。パ・リーグ全球団が仙台に来るのは、ロッテが仙台宮城球場を準フランチャイズにしていた1977年以来21年ぶりである。

 日程であるが、まず恒例のロッテは、5月20,21日(火水)にオリックスと、8月18,19日(火水)に日本ハム戦を行う。一番客の入るオリックス戦をよそでやることを、よく千葉マリンスタジアムが応じてくれたものである。また、監督が東尾氏になってから、毎年仙台に来ている西武は、6月10日(水)にダイエー戦を行う。さらに、一昨年仙台で初めて主宰試合を行い大盛況だったオリックスも二年ぶりに来仙、6月2日(火)に近鉄と対戦し、関西対決が仙台で行われるという楽しみなカードである。

 一方、セ・リーグは恒例の横浜のみで、今年は3年ぶりにヤクルトと行う。日程は8月1日(土)と、今回は夏休みに行われる。ちなみに、昨年、一昨年と仙台に来た中日は(昨年は雨天中止)今年は仙台はおろか、東北には一度も来ない。

なお、開始時間・球場を含めた最終日程は一月中に発表されることになっており、間に合えば次号の本誌で紹介する。                          (関西中日男)

 

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