≪航空情報交差点・期待が高まる仙台〜青森線≫

日本航空技術協会発行「航空技術11月号」によると、11月に開設されるAN K(エアーニッポン:ANAグループ)の仙台〜青森線の予約はどの便(1日3便 運行)も予約開始とともにその日の午前中でほぼ席が完売になるそうだ。
この路線は今まで青森県が企画してNAL(中日本航空:本社は名古屋)がデ モフライトを行ってきた。その要因は、物流の活性化とともに今まで仙台から遠 いイメージがあったが、飛行機の片道50分の利便をいかし、人(観光客・ビジ ネスマン)の青森県への流入を促すのが狙いらしい。そして今回、ANKはこれ までのNALの実績から検討して、1日3便での運行を決めた。運行機材はB73 7−500(126席)で片道正規運賃は¥13,500前後で各種割引を使え ばさらに安くなる。運行時間は朝・昼・夕方となり日帰りも容易だ。
この路線の予約状況にJAS(日本エアシステム)とANA(全日空)は大き な関心を示し、早くも路線参入への検討を始めた。九州島内では、JR新幹線の 整備の遅れにより九州島内を結ぶ空の便は、常に平均85%以上を超える搭乗率 であり航空会社では嬉しい悲鳴をあげている。この仙台〜青森線に各航空会社は 『ドル箱路線』と期待してるのは確かだ。
しかし、全く問題が無いわけではない。というのは将来、東北新幹線が青森ま で伸びた際の路線需要である。かつて、ANAは東北新幹線が開通した際、『北 のドル箱路線』と言われていた羽田〜仙台線を需要減に伴い、廃止した。また山 形新幹線が開通した際から、ANAは羽田〜山形線を減便し運行している。
最近は秋田新幹線開通後の羽田〜秋田線の便数はJAL、ANAともに減便は せず、機材の小型化もしていない。また7月に開港した、“あきた北空港”こと 大舘能代空港への羽田〜大舘能代線は平均搭乗率80%前後と好調である。とい うのは特別割引を実施し客足を確保しているのが原因としてあるらしい。また航 空会社間の割引合戦で運賃がJRと格差が無くなり(JRより遥かに安い路線も あるが)、「移動は飛行機で。」と言う人が不況にもかかわらず年々増えている のは事実だ。果たして仙台〜青森線は『永久にドル箱路線』となれるのか?

(乗車案内〜)


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